農畜産物の加工品製造に携わるわたしたち総合農舎山形村には、夢があります。たべものが生まれる現場と消費者。この両者を結ぶ架け橋になりたいという夢です。
たとえば、わたしたちが大切にしている「食材」のひとつに山形村短角牛があります。この牛は、わたしたちの先祖とともに生きてきた南部牛をルーツに持ち、北上高地の風土を体現するような存在です。厳しい冬のさなかの出産、初夏から晩秋にかけて行われる山での放牧など、大いなる自然の営みのなかで逞しく生きるその姿は、わたしたちに深い感動を与えてくれます。山形村短角牛を加工品として消費者に送り出す際、この感動と、牛たちが生きた証を伝えたいと思います。
もちろん、短角牛だけではありません。野菜もキノコも岩魚も、それぞれがかけがえのない物語を持っています。その物語ひとつひとつに耳を傾け、その素晴らしさを消費者に伝えていきたい。わたしたちの製品づくりへの情熱の源はそこにあります。
「たべものをつくることは、生命のものがたりをつむぐこと」今のわたしたちは、そう信じています。

 


食品加工の現場では、保存料などの食品添加物が不可欠なものとして考えられた時代がありました。しかし、総合農舎山形村では、厳しい基準を設けた有機および減農薬栽培の農産物を用い、一切の食品添加物を使用しないというスタイルを設立以来守ってきました。
製品をお召しあがりいただく消費者の健康のため、地元の自然環境や農畜産業や未来のため、そして、ずっと、この農畜産物加工という仕事に携わっていきたいと願うわたしたち自身のため、安心と安全を保証するものづくりを、基本中の基本として実践してきました。
さらに、味づくりにおいても、一流のシェフを招き、日夜、試作品を重ねながら本当の意味での美味しさを追求しています。
生産現場を含むすべての現場で、自分をごまかさず、真摯な姿勢で仕事に向き合う。これこそがわたしたち総合農舎山形村の理想に近づく、唯一の方法だと考えています。


わたしたちの活動拠点は、岩手の県北久慈市山形町です。この地域一帯の農畜産物を中心に、足りないものは他の地域から補うというかたちで加工食品を製造しています。
わたしたちが常にこだわっているのが、地元の生産者とのつながりです。
安全で質の高い農畜産物があってはじめて、わたしたちが思い描く製品づくりが可能になります。
そのためには、わたしたちのものづくりを生産者に理解していただく必要があります。
また、一方で総合農舎山形村という存在が生産者の活動を少しでも応援することができればとも考えています。
農畜産物を育てる側も、それを加工するわたしたちも、ともに成長していくことが、一番大切なことだと信じています。
「そだてる人とずっと一緒に活動していく」
今も昔も変わることのない思いです。